仏教の結婚式には新郎新婦が二人で仏前に花を捧げる『行華』という作法があります。
圓應寺ウエディングでも、新郎新婦には、御本尊様に七本の花を捧げていただく儀式を大切にしています。仏式による結婚の証しとしてお互いの心に供養することの尊さをとどめて仏前に花を捧げるのです。
行華の由来
この作法にはお釈迦様の前世物語によるロマンチックな由来があります。
とても素敵なお釈迦さまの前世の物語です。
久遠の昔、在る国の国王が、仏様に花を供養すればその功徳大なりと聞き、その権力と財力をもって国中のお花をお城に集めるようにおふれを出しました。
雲童子(恵み、豊かさを意味します)という一人の青年もまた、花を仏様に捧げようと思いましたが、国王が独り占めしているため、いくら探しても見つけることが出来ず途方にくれていました。
そこに国王のもとに届ける七本の花を持った賢者(美しい、賢いを意味します)という美しい乙女と出会い、青年は何度も懇願して全財産と引き換えに5本だけ譲ってもらいます。
青年は仏さまに供養することで仏道を成就して、多くの人々のためになりたいからだというのです。わけを聞いて感動した少女は心を決めます。
そうして少女もまた残りの二本を仏様に捧げんと決心し、青年と共に二人は仏さまのもとにおもむき、青年はその5本を、少女は残りの2本をささげたのでした。
不思議なことに、国王が供養したたくさんの美花、珍花はわずかの間に地上に散り、光を失ったにもかかわらず二人が供養した花は空中に止まり、色鮮やかに輝いたといいます。
この縁により二人は結ばれます。二人はさらに後世に於いても生まれ変わるたびに夫婦となり、後にはその青年はシッタルダ太子に生まれ変わり、少女はとヤショダラ姫として生まれて、結ばれます。このシッタルダ太子こそ、後にお悟りをひらかれたお釈迦様に他なりません。
以上のような故事にあやかり、仏式の結婚式では新郎が新婦の持つ七本の花のうち五本を譲り受け、共々に仏前に花を捧げて、結婚の証とするのです。